『哲学の謎』
野矢先生は「この人の書く本なら」と思っている数少ない人のうちのひとり
自分の目につく範囲では哲学の本と言うとたいてい誰それの何々は
どういうものである、的なことが書いてあって
哲学の本と言うよりは哲学について、の本って感じがする
哲学論というか哲学史と言うか
そういうのも好きなんだけど
野矢先生の本はそういうのと違って、自分で哲学する、って感じ
本を読んでても、こうだぞ、って感じよりも
こういう考え方もできるよ、あなたはどう考える?って感じを受ける
『はじめて考えるときのように』もそうだった
そのせいか、あまりハイライトがつかなかった
ここ大事だぞ、線引いとけよ、みたいな雰囲気じゃなくて
大事なことはあなたが考えたことですよ、と言われてる気がする
だから中身何が書いてあった、っていうまとめみたいなのは書きづらいけど
しいていえば実在と意識について考えた本、みたいな感じ?
自分はわりあい子供の頃から自分が見てる赤と他の人が見てる赤って
同じものなんだろうか、って考えるようなひとだったけれど
そこから先には考えが深まらなかった感じがある
哲学者にはなりそびれたかな
今でもものごとを深く考えるのは苦手かもしれない
こういう本を読んで深く考えられるようになるといいんだけど
なかなかそうもいかない
読むだけではなくて書くようにしたらなにか変わるんじゃないかと思って
なにか書いているのが今
長い目で見たら変わるんじゃないかと思っているんだけどどうかなあ